心理カウンセラー佐藤照貴

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「大切な人にも“ノー”が言えるか-心の健康を見分けるポイント」

  人間はどんなに相手が好きであっても、「こういうことはされたくない」ということがある。そんな時、相手に「ノー」と言えるからこそ、関係は維持されるのであろう。「いやだ」と言ってもお互いの関係はこわれないという信頼があればこそ、「いやだ」と言える。 心の不健康な人間というのは、相手が自分にとって大切になればなるほど、「ノー」と言えなくなってしまう。これは、心の健康、不健康を見分ける大切なポイントである。

 心の不健康な人は、相手が自分にとって大切になると、その人なしでは生きていかれないような気持ちになる。そうなれば、見捨てられるのが恐い。かくて相手の期待通りに生きようとする。いよいよ自分は自分でなくなっていってしまう。 心の健康な人は、相手が自分にとってどんなに大切になってきても、その人なしでは生きていかれない、というようにはならない。(加藤諦三・早稲田大学名誉教授)