心理カウンセラー佐藤照貴

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帝京大学ラグビー部は4年生が「雑務」を行っている

  アメリカンフットボールの日本大学と関西学院大学の一戦における会見で明かされた話の内容は、真っ向から対立している。だがもはや詳細な事実がどうあれ、日大のコーチ陣が、もはや指導者としての体をなしていないことは明らかとなった。そこにあるのは、指導者を頂点とするピラミッド型の組織があり、上下関係が絶対となっている世界。日大選手の、「監督と話す機会はほとんどなかった」、あるいは日本代表には行くなと言われて「なぜですか、と言えるような関係ではなかったと思います」という言葉は、上位下達のマイナスイメージを浮き彫りにしてないか。
だが実際は、そうした関係性からかけ離れた部も多く存在する。帝京大学ラグビー部は、昨年度の大学選手権を制し、9連覇を達成した。部の特色は、4年生が最も責任を負い、1年生の負担がいちばん軽いことにあるという。帝京大、上下関係とは無縁の部活動とは?帝京大学ラグビー部では、雑務と言っていいような細かな作業を最も担うのは最上級生で、下にいけばいくほど軽減される。上が下の者に用事を言いつける、押し付ける、いわゆる上下関係とは無縁の形態にある。これは、岩出雅之監督の考えからだ。「下級生、特に1年生は入学したばかりで不安もあるし、学生生活の慣れという面でも精神的に大変です。経験がある上級生の方が負担が重いのは当然のことです」と岩出監督は述べている。
学校や会社が学生や社員の意欲を喚起すというゴールに向かって、その手段は恐怖政治を敷くのではなく一人ひとりの特徴と良さを認めて信頼関係を構築する方が大事であることの証左ではないか?人材育成のあり方を根本的に考える時がきた・・