中学校の養護教諭をしている先生と話す機会がありました。次から次へと来る生徒の対応に、心から聴いて対応しようとしても、遅れて授業に出ると「保健室は甘い」という風に教科担任に言われサウンドバック状態で悩まれていました。
先生は「だまされていいんですよね」と言うので「いいんです。だまされていいんです」。悩み多き生徒は保健室を最後の「安心した居場所」(砦)として訪れるのですから、嘘を暴くことを目的にするのではなく、生徒の心の声を聴いていくうちに、「この先生信頼できる」と思えば本当のことを話し始めます。
声なき声を聴かないと、同じことを繰り返します。「また授業に遅れてる?」。それよりは「サイレントボイス」を聞ける人間がいると「気が済んだ」(ゲシュタルルト療法)という心の電池が充足され、遠回りですが多くの課題が解決に向かいます。
「信頼関係」を栄養として生徒の心の闇は、1mずつ晴れていくのではないでしょうか?