米・ハーバード大学で最も人気があった履修科目は何か? それは「ポジティブ心理学」でした。その科目を担当したタル・ベン・シャハール博士を助け、ときに講師の役を行ったのが、まだハーバードにいた頃のショーン・エイカー氏です。
多くの企業や学校で教えているのは「一生懸命頑張れば成功できる。成功すれば幸せになれる。良い成績を取れば、「もっと良い成績を取ったら成功」、良い学校に入ったら、「さらに良い学校に入ったら成功」、良い仕事に就いたら、「さらに良い仕事に就いたら成功」、販売目標を達成したら、「さらに高い販売目標を達成できたら成功」……。こんな具合に、私たちが「成功したら幸せになれる」と考えた結果、脳はいつも、幸せを感じるための「成功」をいつも一歩先に設定してしまうのです。
しかし、ポジティブな状態にある脳は、ネガティブな脳よりもずっとよく機能します。ポジティブな状態にある場合、脳はネガティブな状態よりも31%生産性が高くなり、販売成績では37%上がるという調査結果が出ています。ネガティブな状態やニュートラルな状態の時よりもポジティブな状態の時の医師の診断結果は19%も正確になります。
「幸せだ!」と感じながら活動をすることで、学習機能をオンにするドーパミンが分泌されて、脳はより熱心に早く知的に動くのです。つまり「成功すれば幸せ」なのではなく、「幸せだと成功する」なのです。
またエイカーさんたちの研究では、仕事上の成功はIQによって予測できるのは25%だけで、残りの75%は楽観度合いや、周りからのサポート、ストレスを脅威ではなく挑戦と受け取る能力にかかっているとわかっています。