故・柴田トヨさんの「くじけないで」という本を久しぶりに読みました。いくつか紹介させていただきます。
くじけないで
ねえ 不幸だなんて 溜息をつかないで
陽射しやそよ風は えこひいきしない 夢は平等に見られるのよ
私 辛いことがあったけれど 生きていてよかった
あなたもくじけずに
秘密
私ね 死にたいって 思ったことが 何度もあったの
でも 詩を作り始めて 多くの人に励まされ
今はもう 泣き言は言わない
九十八歳でも
恋はするのよ 夢だってみるの 雲にだって乗りたいわ
ことば
何気なく 言った ことばが
人を どれほど 傷つけていたか
後になって 気がつくことがある
そんな時 私は いそいで
その人の 心のなかを尋ね
ごめんなさい と 言いながら
消しゴムと エンピツで
ことばを 修正してゆく