子どもは保護者に対し、「依存と反抗」を繰り返しながら、自立に向かって発達し、成熟していきます。 乳幼児期から始まって、幼児期、児童期、学童期、そして思春期、青年期と、どれほど安心して、親に、依存と反抗を繰り返してこられたかということが、その後、人間としての健全な社会的人格を成熟させていくことに、深くつながるのです。
子どもに限らず人間は、人を信じることによって、自分を信じられるようになります。自信をもって生きることは、人を信じながら生きることです。そのためには、信じることのできる人に会わなくてはなりません。子どもが、いちばん信じたがっているのは「親」です。それも、一部の例外を除けば、「母親」です。子どもは、母親から自分がどれほど豊かに保護されているかということで、愛され方の大きさを実感し、信頼を深めていきます。生きる力の源泉です。
だからこそ、「子どもがピンチなときこそ、親の出番」なのです。自分がピンチのときの親の行動を見ることで、子どもは親の愛や保護の意味を問いかけているのです。