感情は、人から人へとすばやく伝わるものです。友達が喜ぶ姿を見ると自分まで自然と笑顔になり幸せな気分になるし、いらだつミーティングが夜遅くまで続いたあとに帰宅すると、イライラした気分は配偶者にまで伝染します。
人の気分や感情は、周囲の人とたがいにシンクロしているのです。ハーバード大学が1万2000人以上を対象に、30年以上にわたって追跡した研究によると、日々接している家族や友人が幸せを感じていると、幸せを感じる可能性が15%高まるという研究結果が出ています。しかも、幸福(ウェルビーイング)は直接知らない人にまで影響します。
あなたにAさんという友達がいるとします。Aさんの友達Bさんが幸せを感じていると、あなた自身はBさんを直接知らなくても、Bさんの幸せがAさんに影響し、さらにその影響を受けてあなたの幸福度は10%高まります。幸福は次々と周囲の人に影響を与えていくのです。このハーバード大学による大規模な社会的実験で、人の幸福度は自分から数えて3人目まで影響することがわかりました。