「憲法という希望」(著:木村草太 対談:国谷裕子)という著書から「人権侵害」について、次のように記述があります。
「人権侵害」はどのように考えればいいのでしょうか。大事なのは“侵害される側の人”とはどのような人たちなのかということです。私たちの想像力や無意識が試されているのです。
留意しなければならない点は「人権侵害が、少数のひとにのみ大きなダメージとなり、他の多数の人にはあまり影響のないものと受け止められることが多い」ということです。それは、“最大多数の最大幸福”(ベンサム)であればよいということではありません。“最大多数”が安易に少数者を圧迫する“多数の満足・同意=数の暴力”となることがあるからです。少数者の側にこそ「人権侵害」の問題があらわれます。
「戦争は最大の差別であり、人権侵害である」と修学旅行に行ったとき、原爆ドームでボランティアガイドの三登浩成さんから言葉が印象に残っている。今は戦争に似たいじめやハラスメントは、「感情の暴力団」による「最大の人権無視」だと思います。