子どもは、“人間”を始めてからまだ数年しか経っていない存在です。親は、少し先に生まれた人生の“先輩”に過ぎません。私の場合「あれはダメ」「こうしなさい」…と、禁止令をよく言っていたことを今更ながら後悔します。今思えば「あなたのためよ」といいながら我欲を満たそうとした「愛情という名の支配」で子供を自分の思い通りのロボットにしようとしていました。子どもは自分の感情を抑圧し、「いい子」を演じていましたが、ある日虚飾の「いい子」に耐え切れず、子どもは私への復讐行動に走りました。子どもの復讐に「学歴ではなく心を見ろ!」と反撃されたような気がします。先輩面した私は結局子どもに子育ての真実や人生の歩き方を教わりました。
「他人のフリ見て我がフリ直せ」とはよく言われますが、まさに、「子どものフリ見て”我がフリ直せ”!」を懺悔する日々です。
「子供たちのことで、何かを直してやろうとするときにはいつでも、それはむしろ我々のほうで改めるべきことではないかと、まず注意深く考えてみるべきである」 スイスの精神科医・心理学者 カール・ユング