大変な人と対応すればするほどこちらがカウンセラーとして「答えもどき」という提案や説明をだしたくなります。なぜ?その重苦しい状態からカウンセラー自身が逃げて楽になりたいからです。相談者は説教にしか聞こえないのでうんざりで、反発が増幅しても心に留まることは殆どありません。 丸山芳浩先生がカウンセリングの極意を話されています。「自分で答えをだしなさい。外から言われたことでは気づきは生まれません。答えを出すまで待てるのがプロのカウンセラーの技でありハートです」。
どんな素晴らしい答えでも外からだされた答えでは人は動きません。自分の心で決めて始めて気づきの始まりです。極論を言えば押し付けられたことは人は受け入れるどころか納得しないので行動が変わりません。自分の心で決めて始めて気づくというこの言葉は実は非常に厳しい言葉であり、カウンセラーの肝が試されます。 結果をだして早く逃げたい、楽をしたい自分自身を垣間見ながら、修行の険しさを改めて知る言葉でした。
『教わって覚えたものは浅いけれど、自分で苦しんで考えたことは深いんですよ。』BY 早川 徳次 氏