私はこの話を読む度に『価値観』や『解釈』は人によって違うことを深く感じます。
その子は、生まれながら知的障害者でした。養護学校には寮があり、家に帰る事は出来ませんでした。四年生で入ったその子は、一年生の学習から始めなければなりませんでした。
先生が「ここに、五百円玉、百円玉、十円玉、三つのお金があります。どのお金が、一番大きなお金ですか?」と、その子に質問しました。
するとその子は、「十円玉」と答えるのです。先生は、「五百円なのよ」と教えましたが、同じ問題を繰り返しても、どうしてもその子は「十円玉」と答えてしまうのです。その子は「どうしても違う、十円玉だ」と言うので、先生は「それじゃ、十円玉の方が大きいと思う訳を言ってごらん」と言ったそうです。
するとその子は、「十円玉は、電話が出来るお金。電話をするとお母さんの声が聞けるの!」と話したそうです (泣)