心理カウンセラー佐藤照貴

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「ばい菌」と呼ばれ…サヘル・ローズさん「心の傷」との向き合い方②

・・・でもガラスのコップの中に入る水は限られていて、水があふれ出てパリンと割れる時がきました。中3の夏前だったと思います。もう死にたい、と。 学校を早退した日、何かに気づいたのか、母がすでに家に帰っていて、部屋の角でしゃがんで泣いていました。 いつも明るく、お金が無くてもご飯が無くてもニコニコしていて、プラス思考。そんな母の涙を見たのは、初めてでした。母を抱きしめた時、体が二回りも小さくなっていることに気づきました。白髪交じりでしわくちゃで、「お母さんも疲れた、死にたい……」。  

   ああ、お母さんも私の前で優等生の母を演じていて、私のために頑張ってくれて、でも見えないところで苦しんでいて、体の負担もあったんだな、って。 その時、それが神様の声だったと信じていますが、「この人にわたしは何か恩返しをしたの?」という声がした気がしました。その時まで親に育てもらうことが当たり前と思っていた部分があったけど、そうじゃなくて、これからは母のために生きよう、必ずこの人に恩返しをして楽させるために頑張ろう、と。初めて生きる目標ができたんです。

  中学であれだけ苦しかった学校生活だけど、母のために仕事をするには知識が必要だと考え、高校に進学た。「偉大な母」を歴史に刻むために、私が有名になろうと考えました。  「どこ生まれだろうか、どういう境遇だろうが、人間は生きてちゃんと立派になれることを証明したい。成人式で、中学時代の級友たちが謝罪してきました。だれしも、いつかは自分の過ちに気づくものです。いじめられたことは、私自身、乗り越えたというより受け入れたんだと思います。心の傷は残っている。完全に消化しなくてもいいんじゃないかな

  「給食のおばちゃんは見て見ぬふりをせず」の「助けあいは今の社会に欠落、「先生は守ってくれなくて、見て見ぬふりは、現代社会の悲壮さを物語っている。「成人式で、中学時代の級友たちが謝罪してきました」は、大人の現実は、謝るどころか徒党を組んで心傷つけ、平気です。隠蔽 そのためには他人を排除している人こそ「ばい菌」だと教えられます