相談業務をさせていただいていると、長い時間をかけながら聴いていると「いやーそれはまずいでしょう」「そんな考え方だから人間関係うまくいかないんでよ」と内なる声が聞こえるときがあります。ここで「そんな考えだからうまくいかないんですよ」なんて言おうものなら、クライアントの心はひどく傷つきます。なぜ?悩みをもってきたのにカウンセラーにも否定されたら二重否定で立ち直れまるせん。
基本どんな不合理で矛盾した悩みや葛藤を打ち明けられても、始めはただ聴くに徹しなければなりません。人は自分の存在価値を認められて今の自分を変える可能性があります。否定からは気づきは生まれません。
どんなに間違っていることでも受容共感して心から聴いてもらったというカタルシスを自ら感じた人のみ、自らの不合理や矛盾に気づきそれを改善しようという心のエネルギーが湧いてきます。「治すそうとするな 分かろうとせよ」の真髄がここにあります。