心理カウンセラー佐藤照貴

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「人間力」を大事にした 栗山監督、14年ぶりのWBC世界一

  野球日本代表「侍ジャパン」の栗山英樹監督は、異色の経歴で代表監督になった。

  東京学芸大からテストを経て、ドラフト外で1984年にヤクルト入団。めまいや吐き気、耳鳴りが続く「メニエール病」に悩まされて引退。

  野球観に大きく影響を与えたのがメジャー通算324勝を挙げ、ノーヒットノーランを7度達成したノーラン・ライアン投手へのインタビュー。「大リーガーとそうでない選手との違いは?」と尋ねると、大投手は答えた。「人間性だ。」 選手や監督という立場の前に、人としてどうあるべきか。「そういったもの(人間性)がないと、長い間頂点には立てないと言われた。そのことだけは大切にしなくては」。そう胸に刻んだ。

  長い指導者生活では、選手が好機で三振しても守りでエラーしても、怒ったり非難したりしたことは一切ない。日本ハム監督就任当時、球団のゼネラルマネジャーだった山田正雄さん(78)は「自分が悪いと言って、選手のせいにはしない。冗談でも『お前のために恥をかいた』などと言わなかった」と振り返る。

   これまでに培った人脈に加え、人との「つながり」を大事にし続けた栗山監督の人間力に負うところは大きい。3大会ぶりの栄冠には、「元名選手」にはできない経験が生きています。