今のようにインターネットもツイッターもなかった時代、10代の若者の、心の叫びを受けて止めてくれるのは、ラジオでした。中島みゆきさんのラジオ番組にも、こんな葉書が投稿されました。
わたしは中学をでて、すぐに働いて2年になる、17歳の女の子です。この間、わたしの勤めている店で、 店の人が私の事を「あの子は中卒だから事務はまかせられない。」と言っていたのを聞いてしまいました。くやしくて、くやしくて泣きたかった。 私だって高校行きたかった。ごめんなさい、愚痴を書いてしまって。
中島みゆきさんは、この葉書をくれた女の子に、こう語りました。「すべての人に、良さをわかって貰うというのは、無理かもしれないけど、わかってくれる人も、どこかにいるかもしれないとかね、そういう風に思うことだって、素敵なことじゃぁないだろうか」。そして、最後に一言、こう付け加えました。「ファイト!」
ラジオでこの葉書が読まれたのが、1982年。番組に寄せられる、沢山の心の叫び。それを歌にして、エールを送ったのが、この「ファイト!」だったのです。