故・河合隼雄(ユング心理学・元文化庁長官)さんと茂木健一郎(脳科学者)さんの対談集で「カウンセリングの真髄」が語られています。
- (河合: ときどき起きるのは、僕の乗ったタクシーの運転手さんなんかが、むちゃくちゃに身の上話なんか始めるんですよ。
- (茂木:) エーッ!そりゃ おもしろい話ですね(笑)
- (河合:) タクシーに乗るでしょう。すると「私は、本当は別の仕事をしていたんですよ」とか話しだすんです。それで僕が「へえ〜」とかいうとね、ブワーッと話が続いてきてね。それで、曲がり忘れたりね(笑)。まるっきり違うとこに行ってたりするんです。そこでメーターを倒して、「ここからタダで行きますから」とかいって(笑)。そのあいだ、もうずっと、身の上話。
- (茂木:) 河合先生ってわかってのことですか。
- (河合 )いやいや、全然知らんのですよ。
- (茂木) わからないで、なぜか身の上話をするんですか。
- (河合)うん、しゃべりたくなってくる。だからこのごろタクシーに乗る時は、こわい顔して乗ってるんですよ(笑)