再生工場・ID野球で 「戦力外」となった選手を3打席連ホ-ムラン選手に育てた野村克也監督が亡くなった。野村語録の中で一番印象に残ったのが「人の痛みが分かる人間になりまさい!」。そのためには「人間教育なくして・・・」と“謙虚さと どん底人生”を味わたったからこそ他人の「痛み」を知ることができると説いている。
そのルーツは、幼少期に撮った1枚の集合写真。皆がピカピカの野球服を着てるのに「半ズボンとランニングシャツ」。「貧困と劣等感と屈辱」を味わった野村監督だからこそ「弱者」の痛みが分かるのだ。私が最も憧れるのは「弱者を率いているのに、強者に勝ってしまう兵法と監督の人間性」。決して、見え透いた上からの説教ではなく「どん底」を経験してるからこそ選手に伝わる「魂」である。
人はいつ病気や事故で「助けて」頂く側になるかわからないからこそ、驕りと「勝者の論理」だけで人に接することを痛烈に戒めている野村語録にそ、人生の生き方のエビデンスがある。
2010年には、前年の衆議院選挙で大敗した自民党代大会に招かれた際の野村監督の痛烈な一言「みんな負けて反省はするんですけど、勝って余り反省はしないんです。そこに皆さんの落とし穴があったんじゃないかと」。
私はこの歳になり「人生の戦力外通告」をされ「弱者で負け組」でも「尊厳」を大切にする人間でありたい。